JVC インナーイヤーヘッドホン HA-FD01
Victor時代からのお家芸である木製振動板を使用したインナーイヤーヘッドホンHA-FX850。特別仕様のHA-FX1100も持っているが、エージングを進めた結果とクラシックをメインで聴いている事も有り、非常に自分好みの音色になっていた。
ところが、通勤中の不注意で片方のヘッドホンが紛失してしまい(この時はMMCXコネクター仕様を呪った)、中古で手に入れようかと思ったが、育ててきた音色と響は戻らないであろうと思い、この際全く別傾向のヘッドホンを選んだ。それがこのHA-FD01である。
HA-FD01の特徴は何と言っても音の出口である『ノズル交換』が可能な所にある。
標準の付属としては以下3種類のノズルがセットになっている。
・ステンレス製
・チタン製
・真鍮製
音の響というか音色というか、それぞれのノズルに個性が有り、個人的にはおおまかに
・ステンレス製 ポップス系向き
・チタン製 ロック系向き
・真鍮製 Jazz、クラシック向き
という感想を持った。
特別セットのリン青銅、純銅、純チタン
自身トロンボーン吹きであり金管楽器をメインでたしなんでいるので、真鍮製のノズルが特に気に入った。 そんなこんなしていたら先日新たに限定品として特別仕様のノズルセットが販売された。 内訳は、 ・純チタン製 ・りん青銅製 ・純銅製 以上の3種類。
この特別仕様ノズルセットは、ポタフェス 2018 夏 東京・秋葉原にて開催された「JVC “SOLIDEGE 01 inner (HA-FD01)” 試作ノズル人気投票イベント」で、それぞれのノズルで聴き比べ投票すると製品化されるかも?というイベントで、その際に展示されたセットだそうだ。
JVCケンウッド 公式オンラインストア 『コトSquare』にて販売開始翌日には売り切れてしまったほどの人気で、私は運良く購入出来た。
今回のノズルを含めて6種類色々聴き比べて分かったのは、ノズルだけでここまで変わるのかという事。 購入当初も感じたが、ノズルがさも金管楽器のベルと同じ作用があるようで、銅の比率が高ければ暖かみの有る音に、ステンレスやチタンなどでは響の有る音に変わるのが顕著だ。
これらはやはり金属の比重(kg/m3)に関係していると思われるが、
純チタン 4.51
チタン 4.43
ステンレス 7.9
真鍮 8.5
リン青銅 8.6
純銅 8.96
と、密度が高いと音色は暖かみが有るようだ。
高音の響を求めるなら密度の低い方向、中低音のふくよかさを求めるなら密度が高い方向でチョイスするといいかも知れない。
あくまでも個人の好みであるので一概にはいえないが、個人的な感想は、
左から、
・純チタン チタンと似ているが遠鳴りする感じ。
・チタン メリハリの利いた音色。ロック、ヘビメタ等
・ステンレス オールマイティで中庸な音。ポップス等
・真鍮 管楽器と相性がいい。小編成Jazz(特にサックス)や吹奏楽等
・りん青銅 真鍮よりも暖かみの有る音色。Big BandのJazz等にも合う。
・純銅 コンサートホールのような中低音の響き。クラシック、オペラ等
りん青銅を追加した数量限定モデルHA-FD01SPも有るし、今回あまりにも早く売り切れてしまったそうなので、新たな購入方法も検討しているらしい。