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PHONIC PAA2

PHONIC私の愛車であるレガシィには、KENWOOD製の DVDレシーバー VDX-09M を搭載しています。この VDX-09MDolby Degital はもちろんのこと、5.1ch、DTS、Dolby Degital Pro Logic(II)、DVD-Audio、MP3、WMA まで対応しているマルチプレーヤーで、これを生かし切るためにセンタースピーカまで取り付けました。

VDX-09M には フラットな音場を構築するためにデジタル・タイム・アライメント(DTA) が搭載されており、簡単な設定だけで各スピーカー距離を補正するタイム・ディレイ・コントロール、音の高低の繋がりをコントロールするクロスオーバーの調整、パラメトリックイコライザーによる音響調整ができますが、なにしろ取扱説明書にはほとんど記載が無く、DVX-77 の取説をダウンロードして或る程度の設定をしました。しかし、これらの調整だけではやっぱり納得いかず途方に暮れていました。

もっと細かい調整にはリアル・タイム・アナライザ(RTA) と呼ばれる音場状態を計測できる機器(定比帯域幅分析器) が必要で、これは通常 1/3オクターブ・バンドで 20〜20kHz の計測ができます。また、この音場を集音するマイクとして無指向性の騒音計も必要です。騒音計には普通騒音計(20〜8kHz) と精密騒音計(20〜12.5kHz) があり、音響測定にはより精度の高い精密騒音計が必要です。しかし、それらを調達しようと思うと結構高い買い物になってしまいます。

PAA2最初は無指向性のタイピンマイクと PC にインストールしてある RTAソフトで計測していましたが、如何せん周波数特性が当てにならないのと、実際に自分の耳で聞いてみると違和感がかなりありました。
そこでたまたま『サウンドハウス』のカタログを見ていたら、『PHONIC』『PAA2』というものが目に留まり、オールインワンパッケージで金額も ¥39,800.- ということで思わず買ってしまいました。(普通だったら一桁違います(^_^;A アセアセ)
サウンドハウスでの『PAA2』は販売終了したようで、現在は USB 対応の『PAA3』にバトンタッチしました。

オーディオの特性を測る上で必要になる音圧レベル(SPL : Sound Pressure Level) には、オールパスレベルとバンドレベルがあります。オールパスレベルは全ての周波数成分の合成音圧で、各スピーカー音圧のバランスを取るために使います。バンドレベルは周波数毎の音圧を表し、ツィーターとウーファーを組み合わせた2ウェイスピーカー等やサブウーファーを組み込んだ 5.1ch サラウンドなどのクロスオーバー周波数の測定や、スピーカー同士の音の干渉などで表れる『ディップ』を無くしたり、低域から広域にかけて滑らかな音場を構築するために使います。

soundまた測定に使うノイズによってマイクに或る特性のフィルターを掛けて計測する必要があり、音響測定のために使用する『ピンクノイズ』の帯域に合った『C特性音圧レベル』、環境騒音など人間の感覚に近い補正をした『A特性音圧レベル(騒音レベル)』というフィルターがそれぞれ必要で、フィルターをバイパスしたものは『F特性音圧レベル』といいます。特にC特性音圧レベルはサラウンド環境の調整には必要不可欠です。この『PAA2』はこれら全てが計測が可能ですし、スピーカーの極性調整用信号や、トーンジェネレーターも内蔵していますので、これ一台で様々な測定が可能となります。
APLSLまた、同梱されているソフトを PC にインストールすれば、付属の通信ケーブルで接続して PC 上で遠隔操作まではいきませんが制御・閲覧・保存などが可能です。このソフトではバンドレベルだけでなく、本体と同様オールパスレベルも閲覧可能ですので、環境騒音測定用の騒音計としても問題無く使用できます。

内蔵マイクの特性表は付いてはいませんが、一時期の『PHONIC』製品よりも精度は良いらしく、20〜40Hz と 16〜20kHz あたりを除けばかなり信頼できるようですから、私としては値段の割には使える部類だと思います。