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MARUZEN ATHENA THE PEN CROMA

ATHENA文具・書籍販売の老舗である丸善が最初に販売した万年筆は、夏目漱石も使っていた英国デ・ラ・ルゥ社の輸入万年筆『オノト』。これを2000年に復刻した物が『MARUZEN StreamLine オノト・モデル』です。現在デ・ラ・ルゥ社は万年筆を作っておらず、今年1月にオノト・シリーズ誕生100周年記念で世界で10本のみ作られた18金の『Onoto the Centenary Pen』は、1937年に発売された明治から昭和初期にかけて人気を博したモデルの復刻版で、価格はなんと170万円。日本国内では丸善が3本のみ販売するそうです。一方、2002年に1000本限定で復刻された『ATHENA THE PEN MARUZEN 2002』は、1925年(大正14年)丸善初の自社生産の万年筆『アテナ』のイメージを残したフォルムで、万年筆と美濃和紙の便箋がセットで桐箱に入っているなんとも贅沢な『桐箱入ギフトセット』(完売)もありました。

私が購入したのは、2002年復刻された『アテナ』をブルー・グリーン・ワインレッドの三種のカラーで再復刻した物で、基本的に2002年版と同じ物です。何故オノトを購入しなかったというと、復刻版はあくまで丸善オリジナルで、『オノト式』と呼ばれる『プランジャー吸入方式』ではなかったからです。さすがにストリームラインを模しているだけあってデザインは好きなんですけどね。

ATHENA_Pen ペン先には当時のシンボルマーク『女神アテナ』の横顔が刻まれ、同じ Mペン先である PILOT CUSTOM 845の18金と比べても、14金にしては柔らかく滑らかです。私の所有している万年筆の中でも1、2をあらそう書き味です。

基本的にアテナ・インキのブルー・ブラックを使っていますが、色合いは PILOT のブルー・ブラックと酷似しています。プッシュコンバータやインク・カートリッジも PILOT の物なので、PILOTOEM というのは噂だけではない気がします。
ボディ材質は AS樹脂という扇風機の羽根やバッテリーケースなどに使われている、熱や弾性率の高いアクリル系合成樹脂で、適度な軽さと丈夫さを合わせ持っています。ストリームラインと同じヘリボーンが刻まれているので滑りにくいですが、軸長が短いのでキャップを付けた方が持った時に安定する感じがします。
樹脂製の万年筆の中ではかなりしっくりするので、私としては前記事のカトウセイサクショカンパニー 2000F シリーズと並ぶお気に入りの一本ですね。

<アテナ・ザ・ペン・クロマ:仕様>
●ペン先:14金/10号 ●字幅:F/M/B ●クリップ・リング:22金メッキ仕上
●インキ補給:コンバーター式(吸入器)・スペアインキ両用 ●胴・鞘:AS樹脂
●長さ:筆記時164.5mm/携帯時130.5mm 
●太さ:胴直径13.1mm(最大部)/鞘直径14.2mm(最大部)
●重さ:19.7g(コンバーター使用時)