GX WebLog

自動車、モータースポーツ、携帯、デジカメ、Mac等の多趣味人間向けブログ

PILOT Capless Series

Capless 万年筆を使っていると不便なことがいくつかあります。一番面倒なのがペン先のメンテナンス。使っているインクや使用頻度にもよりますが、1ヶ月に1回は洗浄してあげた方がベター。もう一つは取扱方法。ボールペンなどに慣れ切ってしまっていると、つい乱雑な扱いをしてしまいがち。ペン先や胴軸はデリケートなので落下させることは厳禁。また、他人に万年筆を貸してしまうと、せっかく馴染んだペン先が、書き方の癖からペン先を痛めてしまうことになります。しかし、一番日常的に感じるのはキャップの存在。ペン先の乾燥を防ぐためにあるこのキャップが、片手での取扱を邪魔していることはいうまでもありません。

パイロットCapless(キャップレス)万年筆は、ボールペンのようなノック式を採用した片手で操作できる画期的な万年筆です。初代のキャップレスは回転式を採用しており、軸をねじることでペン先が出てきました。現行製品は三代目にあたり、ペン先収納時の密閉精度は完全に克服したといっていいでしょう。

Capless_disassemble Capless_Hole 携帯時はペン先を上にした状態で、クリップが使えるようになっており、従来の万年筆のクリップ位置とは逆になります。また、クリップの側面がえぐってあるので、親指と人指し指を自然な位置で握ることができます。

インクはカートリッジの他、別売で純正コンバータ CON-20/50 が使えます。プッシュ式コンバータ CON-70 は使用できません。コンバータ使用時は、カートリッジにかぶせてある金属製の鞘を取り外して使用する必要があります。また、インク補充時はペン軸を取り外して吸入を行うので、本体にセットする前に余分なインクは拭き取る必要があります。

Capless_Pen_shaft Capless_PEN ペン先は収納時の密閉製を考えているためか小型ですが、ハート穴はそれなりの大きさがあるし、18金ということもありタッチは柔らかです。私のはキャプレスはペンポイントがF(ファイン:細字)ですが、ペン先が小さいこともあって EF(エクストラ・ファイン:極細)の様に感じます。そのためか若干の引っ掛かりがあるので、英文字の筆記体などではかすれが出る時があります。ボディも金属製のため比較的重いので、重さで滑らす感じでしょうか。どちらかというとじっくり書くというよりは、軽いタッチでメモする時に使うボールペン感覚の万年筆なのでしょうね。

キャップレスにはいくつかのバリエーションがあり、高級感のある格子柄の FC-17SR、プレーン塗装の FC-15SR、ヘッドクリップ・ノブがシルバータイプの FCN-1MR があります。また、最近アルミボディの décimo(デシモ)が発売されました。これは従来品よりも細身になっているし、ヘッドクリップがシルバーで胴軸色も淡い感じなので、とてもスタイリッシュな感じです。
高級万年筆の通販をしている文栄堂では、胴軸色に漆に螺鈿(らでん)をちりばめた『螺鈿』、絣(かすり)模様をあしらった『絣』を販売しています。

<キャプレス FC-15SR/17SR:仕様>
●ペン先:18金 ●字幅:F/FM/M/B(レッドのみF/M) ●ヘッドクリップ:ステンレス+特殊鋼金色仕上げ
●インキ補給:コンバーター式(吸入器:別売)・スペアインキ両用 ●ボディ・ノブ:黄銅塗装仕上げ
●長さ:140mm ●太さ:胴直径13.4mm ●重さ:29.7g
※使用可能コンバーターは CON-20、CON-50

<キャプレス FCM-1MR:仕様>
●ペン先:特殊合金 ●字幅:F/M ●ヘッドクリップ:ステンレス
●インキ補給:コンバーター式(吸入器:別売)・スペアインキ両用 ●ボディ・ノブ:黄銅塗装仕上げ
●長さ:140mm ●太さ:胴直径13.4mm ●重さ:29.7g
※使用可能コンバーターは CON-20、CON-50

<キャプレス・デシモ FCT-15SR:仕様>
●ペン先:18金 ●字幅:F/M/B ●ヘッドクリップ:ステンレス+特殊鋼金色仕上げ
●インキ補給:コンバーター式(吸入器:別売)・スペアインキ両用 ●ボディ:アルミ・塗装仕上げ
●長さ:139.4mm ●太さ:胴直径11.6mm ●重さ:21g
※使用可能コンバーターは CON-20、CON-50