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PILOT CUSTOM 845

Custom_Box パイロットの最高傑作である カスタム 845。多くのファンを引きつけるのは、削り出したエボナイトを黒色漆で三度も重ね塗りされた胴軸、角張ったキャップエンが醸し出している風格のあるフォルムでしょうね。化粧箱も他の製品と違い、まるで宝飾品のような大きめの重厚なケースで、所有する喜びがあります。私の所有する万年筆の中で一番の高額品ですが、値段に違わずなるほどと思わせるタッチと書き味です。

樹脂製の万年筆とはさすがに感触が違い、黒色漆塗りはつややかで肌触りが違います。キャップに書かれている『URUSHI』の文字は伊達ではありません。
漆塗りはパイロットの前身である並木製作所が、創業後まもなくエボナイトの退色防止のために漆を塗ったのが始まりで、現在では装飾や絵柄を施された蒔絵万年筆として世界中に知られています。

Custom845 Custom845_Pen 握った感じは漆独特の肌触りとエボナイトの何とも言えない重さが心地よいです。セルロイドも良いですがエボナイトも捨てがたいですね。

胴軸は私の所有している万年筆の中で全長が一番長いのですが、特に太いわけでもありません。しかし適度な重さがあり書きやすいです。18金にプラチナ装飾された15号のペン先のおかげだとは思いますが、モンブランのような固さとしなやかさが あります。文筆業を生業とする方や管理職向きと言われるだけあって、書くことをやめられなくなるようになる感じです。
ペン先のサイズは全部で4種類。私はM(ミディアム)で十分書きやすいですが、ニブポイントの研磨で有名な万年筆専門店フルハルターでは、BやBBで自分好みの書き方に合った研磨をしてくれます。その分高いんですけどね。

Push_comverter中のプッシュコンバータも一味違います。パイロットのコンバータが付属しているアテナの物と比べると一目瞭然。プッシュ軸も塗装され高級感があり尚且つ胴軸との一体感があります。また、ねじ切りも金メッキだとは思いますが、高級感がありデザインとマッチしています。845 はやはりインク・カートリッジで使うよりは、コンバータでドンドン使っていく感じがしますね。

樹脂製ではないので取り扱いは慎重にする必要があると思いますが、手入れまで楽しめるそんな万年筆だと思います。これはカトウセイサクショカンパニー 2000F シリーズと通ずるものですね。

845 には蒔絵のような華やかさや、745748 のようなきらびやかさはありませんが、このどっしりとした落ち着いた存在感と書き味は、実用品としても世界に誇れる最高の国産品だと思います。私にとってはアテナ2000F と共にお気に入りの万年筆の一本です。

<カスタム 845:仕様>
●ペン先:18金/15号(プラチナ装飾) ●字幅:F/M/B/BB
●インキ補給:コンバーター式(吸入器)・スペアインキ両用
●胴・鞘:エボナイト・黒色漆塗り仕上げ
●長さ:筆記時167mm/携帯時146mm
●太さ:胴直径12.8mm(最大部)/鞘直径15.9mm(最大部)
●重さ:28g(同梱プッシュコンバーター使用時)